日本歯科大学新潟生命歯学部 医の博物館

展示品ギャラリー

コレラ病を払う図

コレラ病を払う図

コレラ病というもの皇国に伝染せしより、これがため生をあやまる者幾許か。
されど幸い開化の世にあれば医員も尽力しその病根を絶たんとす。
人々、食に注意し予防保護に心がけべし。

コレラを虎に見立て、石炭酸などの消毒液で追い払う姿を描いた浮世絵は、明治10年(1877)頃の山崎年信(1857-85)の作。
年信は13歳で月岡芳年に入門して師の画風を受け継ぎ、新聞の挿絵でも知られている。

年信が描いた錦絵は西南戦争を題材とした30点余りが確認されているという。
芳年門下の天才と呼ばれ、「芳年四天王」の一人に数えられ将来を嘱望されたが、明治18年(1885年)に病没した。